はんごんそう (反魂草)
学名 |
Senecio cannabifolius (f.pubinervis, var.davuricus, Jacobaea cannabifolia,
S.palmatus, J.palmata) |
日本名 |
ハンゴンソウ |
科名(日本名) |
キク科 |
日本語別名 |
マネアサ、タツミアガリ |
漢名 |
麻葉千里光(マヨウセンリコウ,máyè qiānlĭguāng) |
科名(漢名) |
菊(キク,jú)科 |
漢語別名 |
寛葉還魂草(カンヨウカンコンソウ,kuanyehuanhuncao) |
英名 |
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2010/08/26 長野県志賀高原 |
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辨 |
ノボロギク属(キオン属) Senecio(千里光 qiānlĭguāng 屬)については、ノボロギク属を見よ。 |
訓 |
和名反魂(返魂)とは、死者の魂を呼び戻すこと。漢別名の還魂も、ほぼ同意。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』11(1806)に、「劉寄奴草 ハンゴンソウ マネアサ奥州 タツミアガリ花戸」とある。
劉寄奴草の名は『唐本草』に見え、宋の武帝(劉裕、小字は寄奴、363-422)が蛇神より手に入れた薬草で、これを塗ると刀傷が癒えた、ということから劉寄奴の名がある(李時珍『本草綱目』)。小野蘭山は、この劉寄奴草は今のハンゴンソウだとするわけだが、この見解は『物品識名』(1809)・『日本植物名彙』(1884)に引き継がれた(『日本国語大辞典』第二版による)。民国時代の『植物學大辭典』(1918商務印書館)も、「劉寄奴草 Senecio palmatus,Pall. ハンゴンサウ。」とする。
但し今日の中国における薬用植物「劉寄奴」は、北方ではハマウツボ科のヒキヨモギ Siphonostegia chinensis(陰行草・劉寄奴)、南方ではキク科のリトウザンヨモギ
Artemisia anomala(奇蒿・南劉寄奴)であり、ハンゴンソウではない。
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説 |
北海道・本州(中部以北)・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・モンゴリア・極東ロシア・シベリアに分布。 |
誌 |
ハンゴン(返魂)と呼び、還魂と呼び、またかつては劉寄奴の名と結びつけられるなど、ハンゴンソウには何らかの薬効がありそうに思われそうだが、『全国中草薬匯編』『中薬大辞典』を見る限り、ハンゴンソウを薬用にすることはない。 |
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